ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

経費の考え方

今までに何度か書いているが、現在勤めている会社の経費の考え方がひどかった。「ひどかった」と過去形なのはすでに会社解散が決まっており、現在は自宅待機期間となっているからだ。

この記事は私の主張であり、私の個人的な見解になる。私の考えがそもそも間違っているかもしれない。だが、経費の削減という考え方になるので、参考になることがあればと思い記すことにする。

弊社の例を出しているので愚痴っぽくなっている部分が多々あるが我慢して読んで欲しい。フィクションだと考えて読んで欲しい。


まず、一口に経費と言っても営業費や製造原価などいろいろなものがあるが、今回のこの記事の経費とは材料費や労務費も含めた、利益を考える際に売上から引く税金以外の全ての費用をまとめて考えるものとする。


まず労務費を考えるとすると、あなたが会社にいる間の1分1秒全てに給与という経費が掛かっていることを考えているだろうか?

考えていたとしても具体的にその額を考えたことがあるだろうか?


標準報酬月額が20万円とすると、会社負担は以下のような費用になる(25歳、一般職、東京での概算)。

名目 金額
標準報酬月額 200,000
雇用保険 2,000
健康保険 9,970
厚生年金 17,120
合計 229,090

就業時間が1日8時間の22日勤務であったとする。

229090 / ( 8 * 22) = 1301.6

あなた一人を雇うのに給与だけでも1時間に1302円の費用がかかることになる。実際はあなたの机を置いている土地代やあなたの熱量をおさめるための空調費用、あなたが業務を行うために使っている机やPC等の分割費用、業務を行う際にかかる高熱費用、あなたがトイレに言った時の水やトイレットペーパーの費用、清掃費用など様々な費用がかかるがそれらは今回は無視する。

ただし、実際の経費はこれらも全て含めて考えなければならない。

1時間で1302円という事は1分あたり21.7円掛かっているのだ。あなたがトイレに行っている5分間で100円以上の経費が掛かっている。PCの電源を入れて起動までボーッとしていれば、それに22円の経費が掛かっている。あなた自身の買い物であれば、平常価格より22円値上がりしていれば買わないはずだ。だが経費だと気にしないでどんどん無駄に使ってしまう。

PCの起動待ちをしている間も、トイレに言ってる間も、談笑している間も、資料を探している間にも全てこのコストが均等に掛かっている。1日にすると1時間以上はそれらに使っている人が多いかと思う。そうなると、1日に1300円、1ヶ月で28,600円も無駄に使っているのだ。

このコスト意識を持って仕事をしているだろうか?

PCの起動待ちをしている間にも作業の資料を開けるし、資料を探しているというのはあなたの整理が問題なのであって完全に無駄な時間になる。私の周りの従業員を見ていると、業務時間の1割以上は資料を探している時間になっていると経験している。

取り出したファイルを元の位置に戻す。戻すのに1分かかったとしても、次にその資料を探し出すのにかかる5分よりは短い。また、自分以外も使う資料だとすれば、資料の所在を聞きに回っている時間や、聞かれた人間が対応する時間も全てに経費が掛かっている。


以下は弊社を例に出してコスト意識の例とする。かなり愚痴を交えている。

弊社デザイナの入出勤を含めた大体の一日の流れはこのようになっている。

  1. 9時から10時の間に出社
  2. 事務所についた途端にタイムカードを押印する
  3. タイムカード押印後、服を脱いだりカバンから荷物を出したり携帯電話(私物)を見たりで10分程
  4. その後、トイレなのか化粧なのかに10分程
  5. 机に戻ってやっとPCの電源を入れる
  6. そしてUstreamで音楽を聞きながらWebサイトチェックに30分から1時間ほど
  7. YouTubeを見つつ業務
  8. 11時過ぎにお昼ごはんを食べ始める
  9. 13時過ぎに休憩終了(本来休憩時間は12時から13時だが、弁当を食べ終わった12時頃から休憩時間と考えているようだ。)
  10. 休憩終了後10分ほどトイレだか化粧
  11. YouTubeを見つつ業務かWebサイトチェック
  12. 17時頃にトイレだか化粧にいきつつ、自分の弁当箱とコップを洗う
  13. カバンに荷物を戻したり服を着たりしつつ出社から9時間経過を待つ
  14. 分単位で9時間きっかりでタイムカードを押印

これは大げさに思われるかもしれないが、本当の話だ。注意するために何度か時間を計測したが良い日でこのような感じであった。悪い日は出勤から退勤までずっとWebチェックをしたり通販で買い物をしたりしていた。社長が出社している時間(週に2時間ほど)はUstream等も閉じ仕事をしているふりをしている。

このデザイナはあまりに極端すぎるため例かもしれないが、前職の事務スタッフも業務時間の半分以上をWebサイトチェックをしたりPiggをしたりしていたので似たようなものであった。これを考えると、一般的な会社にも同じような人間はいるかと思う。

こうなると出社時間の半分も仕事をしていない。それなのに給料が安いと文句を垂れる。

それは真逆の考え方で、仕事をしていないから給料が安いのだ。仕事をして利益を上げることが出来れば給料は上がる。何度これを説明しても仕事をしない。デザイナは「給料分は働いている」と言い張る。


会社にいる時間は会社に拘束されている時間になるので給与を払う義務はあるのだが、業務を完全に行なっていず、私用を業務中に行われてはそれは会社に拘束されているとは言えない。デザイナが引越しをする際には、1週間ほど部屋の選定と不動産屋への連絡、引越屋への連絡、部屋の配置の設計を会社貸与のPCを使って行なっていた。これは横領以外のなんでもない。「横領」と言うと、「こんなことみんなしてる。みんなトイレに行かないんですか」と開き直られる始末。

トイレは仕方ないにしても、なぜデザイナが弁当箱を洗っている時間や着替えている時間、YouTubeを見て笑っている時間に対して給与をし払わなければならないのか。デザイナは自分が給与を払う立場にならなければ給与という意識を持てないかと思う。

給与が少ないとあまりにも言うので1万円増額したのだが業務内容は全く変わらなかった。


さらにいろいろな点で経費のことを考えていなかった。

月末に請求書を発行するのだが、その請求書の郵送は多い月でも5通もなかった。大体2通ほど。その2通の請求書を作成し、封筒に詰め郵便局に持ち込むのだ。これに1時間以上かかる。作成については後に書くが泣けるほどひどい。

事務所の近隣に郵便局は何局かあるのだが、事務所が丁度その真ん中にあり、往復に20分ほどかかる。デザイナは郵便局に請求書を送りに行くのに最低でも30分、長ければ1時間ほどしないと帰ってこない。1時間かかる時には私用の買い物をして帰ってくる。

これを毎月繰り返している。この無駄がわかるだろうか? 時給1000円だとすると、30分に500円の経費がかかる。請求書の郵送に毎度500円の経費をかけているのだ。請求書はフォーマット化されているので、一度重量を測れば郵送費はわかる。なのでその分切手を貼ってポストに入れればそれでいい。

だが毎度軽量して郵送している。

フォーマットとはいえ、もしもの料金不足による返送の可能性を考えるのであれば、50円分多めに切手を貼って送付すればいい。2通なら100円の無駄にはなるが、500円から比べると400円も無駄に経費を使わずに済む。
また、その経費を3ヶ月ほど貯めれば郵便料金計算秤を買えるので、次回以降の定形外の郵便には計量に行かなくても対応できるようになる。

コスト意識があれば少なくともこれくらいは考えずにもわかることだと思うが、デザイナはその考えなかったようで注意するまで気づいていなかった。注意した所で翌月も郵便局に向かっていたが・・。


請求書の作成にも時間がかかるという事を書いたが、これはデザイナもそうだが弊社社長のコスト意識の欠如も原因になっている。

なぜか弊社は請求書をイラストレータで作成している。なので、毎度請求書毎に宛先や請求項目、請求額を計算して入力し、バランスを整えて印刷している。こんな馬鹿馬鹿しいことはない。だれがイラストレータで作成した請求書で喜ぶのか。むしろ、一般的なフォーマットで作成したほうが見やすくて喜ばれる。

もしデザインを重視しているのであればせめて差込印刷にしようと提案したのだが、「やり方を知らない」と社長自身に却下された。マニュアルを見ればわかるし、検索してやり方を調べたらいいのだがそれがめんどくさかったようだ。

ファイルのタイムスタンプを見て確認すると、その請求書の作成には一通30分ほどかかっている。なので、2通郵送する際は請求書の作成に1時間かかる。この作成枚数と作成時間は完全に比例していた。発行が5通あった際は11時に1通目が出来上がっており、5通目の作成には16時となっていたことで確認した。
請求書の入力項目はそれほど多くないのだが、YouTubeを見たりしながら作業しているためそれほど時間が掛かっているのかと思う(これは想像)。

これに郵便局に行く時間を合わせると請求書2通の郵送には2時間で2000円の経費が掛かっている。

法人設立当初には、請求書の管理はASPサービスを利用してWeb上で行い、誰でも請求と入金を確認できるようにするという事であったのだが、それが年額18,000円かかるという事がわかると使うのをやめることになった。

デザイナに注意してもらちがあかないため、これらの時間を計測した結果を踏まえ、現在の経費から考えると1年で最低24,000円の費用がかかるため、ASPを使ったほうがいいと社長に提案した。

だが、理由の説明もなく拒否された。だいたいいつも理由の説明がなく決定される。

ASPの利用は経費の節約だけを考えると微々たる差になるが、それらの時間についてもデザイナが真面目に仕事を行えばそのぶんの作業量に応じた利益も出るため何倍も利益に貢献できる。だがそれについても社長には理解頂けなかったようだ。

本来はASPを使うことが決定していたため、入社後の初仕事はそのサービスにあわせて請求書のフォーマットを作ることだった。デザイナとの協業で2週間かけた(何故2週間もかかったかはこれまでのデザイナの業務の説明で理解していただきたい。)。なので、給与ベースでも二十万円以上のコストをかけて制作したのだが、18,000円の利用料が払いたくないために、それらの作業は全て無駄になった。
どう考えてもそのまま使うことにしたほうが経費は無駄にならないのだが、理由の説明もなく使わないことになった。それからデザイナがイラストレータで請求書を作り始めた。


このように会社全体でコスト意識が足りていなかった。偉そうに書いているが私自身も傍から見ればコスト意識が足りていないかと思う。その足りていない人間から見て足りていないのだからひどいと感じざるを得ない。

社長の考え方の変遷はこれまでに書いた会社解散などの記事を読んでいただいてもわかると思う。


本当にこれらは極端な例になるかと思うが、常日頃からこういったコスト意識を持つことの重要性を理解して頂ければと思う。


一時的に大企業で働いたことがあるのだが、その大企業でもコスト意識がおかしいと思うことがあった。

その大企業は携帯電話のソフトウェアを制作していたのだが、会議の際にはチーム全員が呼び出される。チームは30名ほどだが、それ全員が会議室に招集される。

私はデバッグ補助であったのだが、そんな私でも開発チームの会議に参加させられるのだ。開発チームの仕様書はデバッグチームの3世代ほど先を行っていたので新しい仕様は私は知らないし、開発チームの用語が連発し会話の内容が全くわからない。
そのような会議なので、デバッグチームのメンバは関係ないと会議中寝にているメンバもいる。実際デバッグチームは発言を求められないので、参加してもしなくても同じだった。会議は短くても1時間、長ければ3時間以上にもなった。

これのコストを考えると甚大な経費の無駄が考えられる。私がチームでは最下層に当たるのだが手取りで給与は30万円ほど貰っていた。リーダは百数十万円だという事だったので、かなり下に見積もってもチームの平均月収は50万円になるかと思う。
そうすると、給料で考えて1時間あたり2,840円の経費になる。それが30人となると85,227円となる。1時間で8万円以上を無駄にしている。3時間ともなれば24万円、それが月に2回あれば48万円となり、もう一人雇える金額になる。全員が全員無駄な参加ではないかと思うが、およそ5人の参加も必要なかったと感じていた。

それが別のチームでもあるとすると10チームで月額500万円も無駄な経費が発生している。1年間で6000万円にもなる。会議における無駄な経費だけでこの額だ。予算が潤沢にあった故にコスト意識が薄れていたのかもしれない。コストのことなんて考えられるような業務状態の人はいなかったかもしれない。

大企業ではちょっとした無駄でもこのような巨額の経費になるので、ちょっと見直しだけでも大きく経費の削減が行えるかと思う。数人の会議でも開始の数分を談笑に使っていれば、それだけでも経費は無駄に使われているのだ。


かなり長々と愚痴のようになったが、これを読んで経費の削減というものに少しでも興味を持ってもらえれば嬉しい。

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