「ホームページを作ったのに、問い合わせが来ない」「他の施設と何が違うのかわからない」——介護施設の運営者や担当者から、こういった声をよく聞きます。

介護施設のホームページには、一般的なビジネスサイトとは異なる「介護特有の設計」が必要です。この記事では、利用者・家族から選ばれる介護施設のホームページを作るために押さえるべきポイントを、現場を知る立場から具体的に解説します。


介護施設のホームページが難しい理由

介護施設のホームページが難しいのは、見る人が複数いて、それぞれ知りたいことが違うからです。

主な訪問者は大きく3種類に分かれます。

本人(高齢者) 施設の雰囲気、食事、レクリエーション、スタッフの顔など「生活のイメージ」が伝わるかどうかを見ています。文字が多すぎると読みづらく、離脱の原因になります。

家族(特に40〜60代) 料金・空き状況・サービス内容・施設の信頼性を重視します。「大切な親を安心して預けられるか」を判断する材料を探しています。スマートフォンで見るケースが多いです。

ケアマネジャー 施設の特徴・対応可能な介護度・空き情報・担当者への連絡先など、業務上必要な情報を素早く確認したいと思っています。

この3種類の訪問者に対して、それぞれに必要な情報を届ける設計ができているかどうかが、介護施設のホームページの品質を左右します。


ポイント1|「安心感」を伝えるビジュアルを使う

介護施設を選ぶとき、家族が最も重視するのは「ここに預けて大丈夫か」という安心感です。この安心感はテキストよりも写真・動画で伝わります。

効果的な写真の例

  • スタッフが利用者と笑顔で話している場面
  • 食事の様子(実際に提供している料理)
  • 居室・共用スペースの清潔感が伝わる写真
  • レクリエーション・行事の様子
  • 施設の外観・エントランス

反対に避けるべきなのは、ストック写真(フリー素材)の多用です。「どこかで見たような写真」が並んでいると、施設の実態が伝わらず信頼感が生まれません。実際の施設・スタッフ・利用者の写真を使うことが最も効果的です。

撮影が難しい場合は、まず食事の写真と外観写真だけでも実写にするところから始めてください。この2点があるだけで印象が大きく変わります。


ポイント2|料金・空き情報を隠さない

介護施設のホームページで最も多い問題の一つが、料金や空き情報が見つけにくいことです。

家族はホームページを見て「費用の目安が全くわからない」と感じると、問い合わせをためらいます。「問い合わせてから聞けばいい」という考え方は、訪問者の離脱につながります。

最低限、以下の情報をわかりやすい場所に掲載してください。

  • 月額の費用目安(介護保険自己負担分+居住費・食費の目安)
  • 入居一時金の有無と金額
  • 空き状況(「現在空きあり」「満床・入居待ち」程度でも可)
  • 見学・体験入居の受け付け方法

料金を細かく掲載することへの抵抗感がある施設もありますが、「お問い合わせください」だけでは家族に不安を与えます。「詳細はお問い合わせください」という一言でも、目安となる数字を添えるだけで問い合わせ率が変わります。


ポイント3|施設の「特徴・強み」を具体的に書く

「アットホームな雰囲気」「丁寧なケア」「充実したサービス」——介護施設のホームページによく見られるこれらの言葉は、どの施設のサイトにも書いてあります。結果として、どの施設も同じに見えてしまいます。

家族やケアマネジャーが「この施設は違う」と感じるのは、具体的な数字・事実・エピソードです。

具体的に書く例を挙げます。

  • 「アットホームな雰囲気」→「スタッフ1人あたりの担当利用者数は平均〇名。お一人おひとりのお名前と好みを把握しています」
  • 「充実したレクリエーション」→「月に〇回の外出行事、週〇回の体操・音楽療法を実施。昨年は〇名の方が〇〇に参加されました」
  • 「医療連携が充実」→「近隣の〇〇クリニックと連携。月〇回の訪問診療に対応しています」

数字や具体的な事実を入れるだけで、同じ内容でも伝わり方が全く変わります。


ポイント4|ケアマネジャーへの導線を作る

介護施設への入居・利用につながるルートの多くは、ケアマネジャーからの紹介です。にもかかわらず、ケアマネジャー向けの情報や問い合わせ導線を用意していないホームページが多くあります。

ケアマネジャーがホームページで確認したいのは以下の情報です。

  • 対応可能な介護度の範囲
  • 空き状況の確認方法
  • 受け入れ可能な医療行為の範囲(胃ろう・たん吸引など)
  • ケアマネジャー向けの問い合わせ先・担当者名
  • 施設見学の受け付け方法

「ケアマネジャーの方へ」というページまたはセクションを作り、上記の情報をまとめておくだけで、紹介につながりやすくなります。


ポイント5|地域名を含めたSEO設計をする

介護施設を探す家族やケアマネジャーは、「〇〇市 グループホーム」「〇〇区 デイサービス 空きあり」などのキーワードで検索します。

この「地域名+サービス種別」のキーワードでホームページが上位に表示されるかどうかが、問い合わせ数に直結します。

最低限やるべきSEO対策は以下の3点です。

ページタイトルに地域名とサービス種別を入れる 例:「〇〇市のグループホーム|△△ホーム」

施設の所在地を本文中に自然に入れる 「〇〇市〇〇町に位置する当施設は…」という形で、地名を本文中に含める。

Googleビジネスプロフィールを設定する 「〇〇市 デイサービス」などで地図検索したときに表示されるようにする。これは無料でできる最も効果的な対策です。


ポイント6|スマートフォンで見やすい設計にする

介護施設を探す家族の多くは、スマートフォンで検索・閲覧します。スマートフォンで見づらいサイトは、それだけで問い合わせの機会を失います。

確認すべき点は以下です。

  • 電話番号をタップするとそのまま発信できるか
  • 文字が小さすぎてピンチアウトしないと読めなくなっていないか
  • ページの読み込みが遅くないか
  • 地図がタップでナビアプリに連携できるか

制作会社から納品前のデモを確認するとき、必ずご自身のスマートフォンで操作してみてください。


介護施設のホームページ制作を依頼するときの注意点

介護施設のホームページ制作を依頼する際、一般的なWeb制作会社では「介護現場の実態」を知らないケースがほとんどです。

デザインとして完成度が高くても、「ケアマネジャーへの導線がない」「料金の見せ方が適切でない」「施設の強みが伝わらない」という問題が起きやすいです。

制作会社を選ぶときには以下を確認してください。

  • 介護・医療施設の制作実績があるか
  • ヒアリングで「どんな方に入居・利用してほしいか」「競合施設との違いは何か」を聞いてくれるか
  • 公開後の更新・保守体制があるか
  • 個人情報の取り扱いについて具体的に説明できるか

まとめ

介護施設のホームページで問い合わせを増やすために押さえるべきポイントは以下の6点です。

  • 実際の施設・スタッフ・利用者の写真で安心感を伝える
  • 料金・空き情報を隠さず掲載する
  • 「アットホーム」ではなく具体的な数字・事実で強みを伝える
  • ケアマネジャー向けの情報と問い合わせ導線を作る
  • 地域名+サービス種別のSEO設計をする
  • スマートフォンで見やすい設計にする

ホームページは作るだけでなく、「利用者・家族・ケアマネジャーに選んでもらうための手段」として設計することが重要です。


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